世紀の工事、再び~久六島灯台 建て替え工事
クローラードリルが海を渡り、空を飛ぶ!?
秋田県能代港から65km、青森県深浦町にある久六島(きゅうろくじま)。
この島に立つ白亜の灯台は1959年(昭和34年)に建設されたが、老朽化に伴い、2023年に建て替え工事が行われることとなった。
今回、TRD東北では、灯台の避雷針を埋める為の穴(100Φ×6メートル)を掘削する工事を請け負うこととなった。
能代港出航の時刻は深夜0時。久六島までは約6時間の航行。
最大550トンを吊り上げる巨大クレーンを搭載した「第7大福号」で、その地へと向かう。
朝6時。昇ったばかりの朝日が、現場となる久六島を照らしていた。
早速、現場ミーティングを行った後、ボートで島へと渡る。
今回の工事で使用するのは、自社リース機の油圧クローラードリル。
(HCR-900DSⅢ型/古河ロックドリル社製)
約10トンもある機体だが、大福号の550トンクレーンは難なく吊り上げてくれた。
海を渡り、空を飛ぶクローラードリル。
そして、掘削開始。
「やっぱり、地盤がくずれやすい」
掘削を始めてすぐに、オペレーターが嘆く。事前の下見でも確認していたが、予想以上に岩がくずれて穴に落ちていく。粘土状の土も混じった非常にやっかいな岩盤。ロッドが途中で止まったりでもしたら、取り返しのつかない非常事態だ。
さらに、追い打ちをかけるように、掘り進めていくと海水が吹き上げてきた。
それでも、丁寧に丁寧に少しずつ掘り進めながら、岩盤のその先へと突き進んでいく。
3メートルのロッドを2本継ぎ足し、ようやく指定の6メートルの深さへ。
その後も、100φ×6mの穴を次々と掘り進め、ようやく全ての掘削が完了。
役目を終えたクローラードリルは、再び海の上を飛んでいった。
一ヵ月後、久六島には新しい灯台が無事に建設された。
その光は、これからも海の安全を守っていくことだろう。
あらためまして、今回の大工事を無事に完工された秋田県能代市の大森建設の皆さま、関連工事会社の方々に敬意を表します。悪天候が続く中、限られた日数の中であきらめずに立ち向かった作業員皆様の姿に、深く感動させていただきました。
素晴らしい「仕事」に弊社も関わらせていただいたこと、心より感謝申し上げます。
株式会社TRD東北 坂本公二
◆TRD東北 YouTube~世紀の工事再び!久六島灯台・建て替え工事(掘削工事)
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